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論文 OR 読み物?

土曜日、論文審査会が無事終わった。

論文に対する評価としては、副査のおひとりの冒頭コメントがすべてを語っていたように思う。

「読み物として、面白かった。●●さん自身の弱みの認識。そして、そこから脱皮しようとするプロセス。それが、論文の全体から透けて見えてくる。それ自体は悪いことじゃない。だが、学術論文としては大きな問題がふたつある。ひとつには『人材育成に及ぼす効果』が付け足しみたいにして最後にでてくるということ。おそらく事前のリサーチデザインが不十分だった為であろうと思う。もうひとつは、論証の部分がトートロジーになっている。筆者が定義したことを使ってケースを分類しているが、これは結局のところ同じ主張を繰り返しているだけにすぎない」

トートロジーであるという批判は自分でも自覚していた。実は、前回のブログの中で、「・・・、『結局は何も言えてないんじゃねえか』という気持ちになったりもする」と白状していたのは、このことがあったからである。 そこで、審査会のプレゼン資料には、「論証が不十分です」ということを認めたうえで筆者としてどう考えているかというスライドを補足的に用意していた。先生にはそれを使って答えた。聞いていた同級生のひとりからは、「あんなのってアリ?ちょっと狡い」って、つっこまれたけど。

主査の先生(=指導教官)からは、「後半部分は問題があるけど、前半の理論編はしっかりと書いている」というフォローがあった。後で、先生に論文として成り立っているかどうかを聞いてみると、「一応『読めた』から安心した。そこは、さすがにMBAだって思ったよ」ということであった。・・・でも、「読めた」っていうコメントからすると、やっぱり論文というよりかは『読み物』だったのかな。

ちなみに、指導教官と話していると、「●●さんには、あえて関りすぎずに、自分で考えさせるように仕向けたんだが、ちょっと一皮むけたんじゃないの?」というコメントもあった。冒頭の副査の先生のコメントにも通じる評価だと思う。たしかに、出来上がりがどうなのかはさておき、論文作成プロセスではいっぱい考えたし、自分自身いい気づきが得られた。たとえば簡単なことで言えば、マトリックスにして分析するということの有効性をようやく今回気づくことができた。マトリックスを書くときの軸をどう置くかで、現実の見え方が変わってくるということを今回学んだと思っている。ほかの人から見れば、「MBAに来ていて、そんなこともわかっていなかったの?」ということになりそうだが、卒業前に学びを深めることができてよかったと思う。こんなレベルで卒業しちゃったら、MBAに失礼だし。。。

なお、わたしの今回の論文は「議論と対話」をテーマにしたものだが、このテーマを選んだのは、「自分は議論が苦手だ」と思っていたことが大きな理由になっている。この弱点を克服するためのヒントをつかむことができれば、MBAに来た意義も出てくるんじゃないかと思ってのことである。

結果、論文に取り組んだプロセスは自分にとって、物凄く濃密で、有意義なものになった。ただし、論文審査会が終わった今となっては、その論文に対する執着も(いい意味で)消えたように思う。論文としての評価が固まったので、これまでのプロセスをいったん清算できたというべきだろうか。終わってみれば、あっけないような気もしてしまうのだが、いまでは自分の論文は、批判的・客観的に見ることのできる対象になったのかなと思う。

最後にひとこと。以下は、論文の最後の「謝辞」の文章の後半部分です。

「謝辞・・・●●ゼミならびにMBA同期生の方々には,数々の指導・助言,叱咤・激励,支援・協力をいただきました。そもそも,本研究そのものが同期生各位の存在なくしては成立しえなかったものでありました。また,同級生の方々の存在が研究を進めるうえでの大きな推進力となりました。ここにあらためて感謝の意を表します。」

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コメント

ちょっとだけ感動しました。

他人がなんと言おうと自分で得るものがあって成長期できたと思えたらそれでいいんじゃないですかね。だってMBA修了はゴールでは無くスタートだから。

MBAで得た物を活かして今までだったら気づいて無いような知恵や今までではできなかった経験をし、これかもずっと成長していけば良いだけですもんね。

皆で成長しつづけましょう

投稿: つじ | 2011年2月16日 (水) 17時07分

同じく少し感動。立志伝ブログにも「ゴールではなくスタート」という記載が確かにありました。とにかくお疲れ様でした!さあ卒業旅行だ~!

投稿: なごやまだ | 2011年2月17日 (木) 00時23分

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